台湾旅行をしたことがある方なら、きっと一度はお寺や廟を訪れたことがあるのではないしょうか?龍山寺や行天宮など、台北には有名なお寺や廟がいくつもあります。
もちろん中壢にもお寺や廟がたくさんあり、中でも中心部に程近い「仁海宮(レンハイゴン)」は、200年の歴史があり、毎日参拝客が絶えない地元に愛される廟です。
中壢から北東に桃園へと続く延平路は、非常に交通量の多い幹線道路です。その通りに面して堂々と建つのが仁海宮で、知らずに通りがかったら「こんなところに廟があるの?!」と驚くかもしれません。
正面向かって右側の入り口から入ると、まずは前殿に祭卓が置いてあり、1階の正殿に天上聖母、左に千里眼将軍、右に順風耳将軍が祀られています。「天上聖母」とは、いわゆる道教の女神「媽祖(マーズー)」のことで、航海の守護神です。海に囲まれた台湾は各地に媽祖を祀る廟が多く存在し、今では航海に限らずあらゆることに利益のある神として祀られています。
さらに先へ進むと後殿には広いホールがあり、集会活動などに利用されるそうです。このホールの頭上にある「雲龍図」や「天上聖母」などの天井絵はとても素晴らしく、思わず足を留めてじっくり見上げてしまう程です。
そしてホールの両側にはさらに上へと続く階段があります。ここで気を付けたいのが、階段脇に但し書きがあるように“上る時は正面向かって右側の階段、下りる時は左側の階段”を使います。
2階も前殿と後殿に分かれ、前殿には関聖帝君(関羽)、左に神農大帝(神農さん)、右に文昌帝君(文芸の神)が祀られています。また、前殿右脇の扉奥は展示スペースが設けてあり、シーズンごとに企画展示を開催していることがあります。廟の中で、廟とは関連のない展示があるのは面白いですね。
そしてなんとさらに上へ続く階段があり、3階へ行くことができるのです!3階は観音殿があとから増築されたそうで、観世音菩薩、普賢菩薩、文殊菩薩がそれぞれ祀られています。通りに面して建てられているため、入り口から見上げた時には1階部分の存在しか感じることができず、まさか3階まであるなんて想像できないのですが、入ってみるとその広さに驚かされます。
本来お参りするための建物ではありますが、彫刻の施された石柱や木彫りの欄間、彫刻で作られた壁画など、至る所に美しい装飾が見られ、その色彩豊かで豪華な内装に圧倒されます。中華圏固有の宗教建築は日本人にとって珍しく、豪華絢爛な廟を見るのは台湾観光の楽しみのひとつとも言えます。中壢を訪れたら、是非「仁海宮(レンハイゴン)」に足を運んでみて下さい。
中壢仁海宮(新街廟)