桃園の秘境へバスで行く日帰り旅!その②檳榔の花を食す原住民飯と蒋介石の別荘「角板山」

台湾の秘境をバスで巡る1DAYトリップ。

前回の「小烏來」に続き、今回の目的地は「角板山公園」です!

蒋介石の避暑地として別荘や軍事指揮所が建てられたり、独特な食文化が発展した原住民料理が楽しめる商店街が賑わうエリアです。

前回と同じ観光シャトルバス「台灣好行502小烏來線」に乗って、「角板山公園」でバスを降ります。

それでは早速「角板山」のスタートです!

あわせて読みたい

台湾全土に路線のある観光シャトルバス「台湾好行」。 「台湾好行」は、台湾鉄道主要駅や高速鉄道駅から観光地や有名スポットまでを結ぶ観光に特化したバスで、自分に合った旅行を計画することができます。 観光シャトルバス「台湾好行」オフィ[…]

角板山イメージ商店街「角板山形象商圏」

バスを降りると目の前には、賑やかな商店街「角板山形象商圏」が広がっています。

山奥であるこの辺りは、桃・タケノコ・シイタケが名産品で、それらを売る店が軒を連ね、どの店も活気ある掛け声で溢れています。

それもそのはず、「桃園」という地名の通り、この辺り一帯は桃の産地で、5~8月の収穫時期には丸々としたきれいなピンク色の桃が、商店街を埋め尽くしています。

中には、台湾で有名なスナック菓子乖乖(グヮイグヮイ)」の限定フレーバー「桃風味」を販売する店もあります。

台湾スナック菓子「乖乖(グヮイグヮイ)」の限定桃フレーバー1個60元。

そのほか、「綠竹筍」と呼ばれる台湾品種のタケノコを、店先で仕込む作業をしている姿も見られます。

茹でた後に冷やし、サラダなどで食べられる。

また商店街の一角には、桃園で唯一山間地域に建てられた廟とされる荘厳な「福興宮」があります。

廟を正面から見た後、後ろを振り返ると、青々とした山々が望めます。是非振り返ってみて下さい!

そしてこの周辺の地域では、昔から現在も原住民の「泰雅(タイヤル)族」が多く住んでいるため、タイヤル族の衣装を身にまとったキャラクターの壁画や、タイヤル族が開くレストランで独自の食文化を楽しむことができます。

そろそろお腹も空いてきたので、それではタイヤル族原住民料理を昼食に食べましょう!

桃園観光導覧網オフィシャルサイト 角板山形象商圏ページ

原住民料理「泰雅小桟特色料理」

「角板山形象商圏」に何軒か並ぶレストランで、たまたま見つけて入ったのは、「泰雅小桟特色料理」

とにかく絶対食べたかったのがこちら、「檳榔花」!

檳榔(ビンロウ)の花のサラダで、私の大好物です!!

船型の皿に乗った白いのが檳榔花。

檳榔(ビンロウ)とは、台湾では長距離運転のドライバーや工事現場の作業員などが愛用する噛みタバコの一種です。

吐き捨てられた真っ赤な噛んだあとの檳榔は、見慣れない私たち日本人にとって少し衝撃的な印象もありますが、その檳榔の花がじつは食べられるのです!

全体は柔らかく、噛めばシャキシャキとした食感がクセになる、おすすめの一品です。

そのほか、地元産のシイタケをカラッと揚げた唐揚げや、タケノコのスープ高粱酒漬けにしたソーセージをスライスして炒めた「高粱香腸」、竹の筒に米を詰めて炊いたおこわ「竹筒飯」、粟(あわ)を混ぜて炊いたご飯「小米飯」など、台湾の市街地ではなかなか食べることのできない珍しい原住民料理が種類豊富に食べられます。

左上から時計回りに、竹筒飯、高粱香腸、小米飯、竹筍湯、涼拌檳榔花、鹹酥香菇。
山豬肉、いわゆるイノシシ肉の野菜炒め「泰雅山豬肉」。

上の写真は、夫と2人で訪れた時に注文した料理ですが、また別の日に改めて1人で再訪した時は、「泰雅山豬肉」イノシシ肉の野菜炒めをメインに小米飯竹筍湯をあわせて、定食のようにして食べました☺

泰雅小桟特色料理
桃園市復興區中正路41號
月~金9:00~17:00,土日9:00~19:00 木曜定休 ※急な臨時休業あり

角板山公園

食後は腹ごなしに散歩しつつデザートを求めて、「角板山形象商圏」の奥にある「角板山公園」へと歩きます。

広々とした公園を奥まで進むと、山々の谷間に河が流れる美しい景観に出会うことができます。

また、途中歩いて来ると「角板山形象商圏」には桃スムージーを売る店がたくさんあります。

私のお気に入りは、「角板山公園」に入ってすぐ脇にある一軒のお店です。

注文してから1杯ずつミキサーで作り始めてくれる桃スムージー「水蜜桃冰沙」1杯50元。

桃の香りが芳しく、濃厚な味がとても美味しく、台湾の街中では同じ値段でこの味は飲めない!と思いました。

店先には、売り物のシイタケに埋もれた看板猫がいますが、近付くと猫パンチをしてきて危険!と張り紙があるので注意して下さい。

蒋介石の避暑地であり軍事指揮所「角板山行館」

昼食と食後のデザートを終えたら、商店街を引き返して「角板山行館」に向かいます。

こちらはかつて蒋介石避暑地として滞在し、作戦司令を出した軍事指揮所として使われた建物や、その隣りには戦備トンネルがあります。

施設内に入ると、建物まで続く道の途中には広大な梅林が広がっています。

台湾の国花は梅の花で、5枚の花びらで台湾の「五権憲法」(行政、立法、司法、考試、監察)を、各花びらについた3つのおしべは「三民主義」(民族、民権、民生)を象徴しているのだそうです。

また、冬の厳しい寒さに耐えて花を咲かせる梅の姿は、困難な時代を乗り越えてきた台湾の歴史と国民の精神に重ね合わせられています。

この場所に植えられた梅は、1月には白い小さな花が一斉に咲き、3月にはたくさんの実がなります。季節に合わせて訪れ、梅観賞を楽しむのもいいですね!

2025年3月撮影。

そして梅林を抜けると、やっと「角板山行館」のエントランスが見えてきます。

館内は広くいくつもの部屋で区切られていて、当時の蒋介石について、たくさんの画像や映像資料をゆっくりと見学することができます

桃園観光導覧網オフィシャルサイト 角板山行館ページ

角板山戦備トンネル「角板山戦備隧道」

この施設内のもう1つの見所がこちら、「角板山戦備トンネル」です。

先程の「角板山行館」の横に、「角板山戦備トンネル」へと続く階段があるので、こちらを下って行きます。

階段を下りきって入口からトンネルに入ると、地下20m・長さ100mのトンネル探索のスタートです。

中はひんやりしていて、壁には国共内戦時代を思わせる戦車や軍隊のウォールペイントがたくさん施されています。雰囲気たっぷりのトンネルでワープしたようなドキドキ感が味わえます。

トンネルを出たら、そのまま緩やかな坂道を上って「角板山行館」の敷地外へと向かいます。

 

「角板山公園」周辺を一通り回ったら、バス停「角板山公園」へ向かい、再びバスに乗って次の目的地へ向かいます!

次の目的地は、「大溪老茶廠」。

台湾の時代ドラマ「茶金 ゴールドリーフ」のロケ地にもなった場所で、日本統治時代に日本人によって建てられた製茶工場です。

台湾の秘境をバスで巡る1DAYトリップ、次回もお楽しみに!

スポンサーリンク