雲南ルーツの眷村料理“米干(ミーガン)”食べ比べ!その②「小雲滇(シャオユンディェン)」

以前の記事でもお伝えしたとおり中壢には、台湾のほかの地域では食べられない珍しい料理がいくつかあります。その1つが「米干(ミーガン)」、米から作られた麺の料理で、味や食感はよく知られるベトナムの「フォー」と似ています。もとは中国大陸の雲南省から渡ってきた食文化の米干。1949年の国共内戦後に中国から台湾へ渡った国民党軍とその家族が築いた集落を「眷村(けんそん)」と言い、今も台湾各地で当時の家屋が歴史建築として保存されているのですが、中壢には雲南からミャンマー・タイ・ラオスを経て渡って来た眷村「忠貞新村」があります。そしてこの近くの忠貞市場周辺では、かつて栄えた眷村の代表的な食べ物として米干を出す有名店が何軒もひしめき合っています。

今回はそのうちの1軒「小雲滇(シャオユンディェン)」にお邪魔しました。“滇”という漢字は、古い言葉で雲南省を指し、つまり店の名前は“リトル雲南”。まさに雲南料理を是非味わって下さい!と言わんばかりのネーミングです。注文するメニューはもちろん“看板メニュー”という意味の“招牌(ジャオパイ)”がついた「招牌紹子(ジャオパイシャオズ)」。麺は、平たい麺の米干と、細い麺の米線(ミーシェン)、台湾特有の小麦粉卵麺“黄麺”の三種類から選べるのですが、そこはやっぱり米干(ミーガン)一択!基本的な具材は、前回ご紹介した阿美米干と同じく豚レバー・豚肉・卵なのですが、特徴としては「酸菜(スヮンツァイ)」と呼ばれる白菜でできた漬物が刻んでたっぷりトッピングされているところ。程よい酸味がエスニック風で美味しいです! この日はサイドメニューに「原味油雞(ユェンウェイヨウジー)」という蒸し鶏を葱や生姜で香りづけした油に浸して味付けされた鶏肉料理と、「破酥包(ポォスーバオ)」と呼ばれる中華まんのあずき餡を注文しました。

「原味油雞(ユェンウェイヨウジー)」100元
「破酥包(ポォスーバオ)」あずき餡 30元

この破酥包も米干と同じ雲南ルーツの食べ物で、生地をねじってから発酵させる特殊な製法で、外皮が幾層にも折り重なっているのが特徴です。蒸し立てを食べると、湯気からほんのり甘い発酵の香りが漂ってきてたまりません。米干のお店ではたいていこの破酥包も扱っているので、こちらの食べ比べも是非試してみて下さい!

小雲滇(シャオユンディェン)

中壢區前龍街35號 6:00~21:00 定休なし